経済産業省の方のお話で、働き方を考えた
企業は、変に応じる対応を早急にすべきである。
先日、CEATEC Japan 2017のウエアラブルディバイスに関するセッションを聞いた。経済産業省のお役人が2名登壇して、社会情勢の説明と、ウエアラブルへの期待を話した。社会情勢の説明に関して、私なりの図を描いて整理してみた。
[tco]
これからの時代は生涯現役だ
日本は、公衆衛生の改善、栄養環境の改善、医療の向上などにより、平均寿命が大幅に伸びている。リンダグラットンとアンドリュースコットによる「Life Shift」では、2007年生まれの平均寿命は107歳だと言う。実際に統計データからはその傾向が読み取ることができるそうだ。
図の様に、寿命が伸びれば余生が退職金と年金ではまかないきれなくなる。年金も支給開始年齢は徐々に遅れ、支給額も減少している。したがって、退職後も、再就職や何らかの収入の道を探さなければならない。
国は、退職後も第2の仕事に就き、生涯現役で働く環境作りを目指している。
大きな2つの社会構造の変化がシステムを変容させる
人口構造と疾病構造の変化が、様々なシステムの変容を促している。社会保障費が財政を圧迫している昨今。ここにメスを入れないと日本経済は成り立たなくなる可能性が高い。
人口構造の変化
・日本の人口は減少に転じている
・若い世代は結婚が遅れ、出生率も減少している
・寿命は伸びており、高齢者の比率が向上している
年齢による体力の低下は致し方ない。したがって、高齢者には体力に見合った形での仕事に就いてもらうことを国は考えている。つまり第2の仕事。
疾病構造の変化
・結核などの様に、外から菌が入り込む形の疾病から、昨今は、生活習慣による細胞の変質が原因の疾病に変化している。
・外からの疾病は集中治療で医師が適切に管理できた。
・生活習慣は月1程度の通院となるため、管理が行き届かない。
ここに、ウエアラブルなどによる日常の管理がなされることを国は望んでいる。
ピンピンコロリ
社会保障費のうち、半分は医療と介護になる。この医療と介護も、平均寿命から健康寿命を引いた数年の間に大半が使われている。したがって、平均寿命と健康寿命との差をなるべく短くする政策を採る事を国は考えている。つまり、個人の生活習慣の改善を図り、また、企業が雇用者の健康を考える様に仕向け、生涯現役で活躍し、ピンピン働いて、ある日突然コロリ。と言うシナリオである。
構造変化を受け入れて、変化に対応
経済産業省のお二方のお話しは実に明快であった。Life Shiftを意識して、これからの生き方を考えていたところでもある。しかし、現実は思う様にはなかなか進まない事もひしひしと感じている。定年後の第2の仕事をスムーズにできる様にするためには、それなりに学ぶ必要があると思う。その準備も必要である。
企業では、希望すれば65歳まで働ける。しかし、かなり低賃金である。これからの若者世代は結婚が遅いので、65歳でも子供が大学生で、年間100万円以上を授業料として払わなければならない事が想定できる。その時、年収300万円程度ではやっていけない。
昨今、進んだ会社では「副業」を奨励している。これは、100歳まで生きることを前提に、会社が面倒見切れないから雇用者自らがまかなえる環境を提案しているのだと思うが、この考えは重要だと思う。しかし、約8割の上場企業は定年まで副業を禁止している。(ITmediaビジネスオンラインより)
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1702/15/news037.html
企業は、変に応じる対応を早急にすべきである。