イーサリアムはプラットフォームだった!

BLOCKCHAIN EXEでブロックチェーンの電力活用を勉強しました!
(2018年4月11日@LIFULLセミナールーム)

セッション内容

①    オープニング
②    EV充電器「Ella」の*P2P認証、電力取引市場への応用
③    ブロックチェーンを活用した電力取引サービスの可能性
④    市場メカニズムを用いたP2P電力融通システム-浦和美園プロジェクトの紹介-
⑤  ディスカッション

電力へのブロックチェーン活用の可能性をお話しいただきました。

( *P2P : ピア トゥ ピア )

ブロックチェーンの特徴は、追従性と透明性

オープニングには、クーガー株式会社のCEO石井さんが登壇。ブロックチェーンは追従性と透明性に優れる仕組みであることから、

①    公共性が有り、みんなが気にする
②    需要も供給も可能である
③    不特定多数間で価値を連動する

という内容のものにはブロックチェーンはとても有効との提言。
現在、電力へのブロックチェーン応用は実に現実性の高いものとして注目されている旨をお話されました。

世界人口は増加。ガソリン車ではCO2で地球汚染。だから何処でも電力供給が必要

自動車 排ガス CO2 EV ブロックkチェーン株式会社ジゴワッツ代表取締役の柴田さんは、ブロックチェーンに接続可能なEV(電気自動車)充電器「Ella」の開発コンセプトを紹介されました。

世界は人口が益々増え、多くの人がガソリン車を乗ることは、地球環境に良くない。そこで、International Energy Agencyは、2030年までには世界のEV台数を1.6億台にする!という取り決めをしました。EV増加に対応して、充電設備に強化が必須です。Ellaは「目的地充電」という種類(他は急速充電)のもので、どこでも手軽に少量の充電が可能。台数を多く設置できると言うメリットがあります。

この充電器にブロックチェーンを搭載しました。

世界中の何処にでも設置してもらう事を想定し、海外送金や土地代や何処の誰との契約等のような面倒なことを無くすためにブロックチェーンを取り入れ、「支払いと認証」を確実にする斬新な仕組みを構築しています。

現在はまだまだ問題も多いようですが、将来が楽しみです。

・節電にブロックチェーンでインセンティブ

節電 ブロックチェーン 温度管理

株式会社会津ラボ代表取締役久田さんは、大きな電力会社が仕切る制度のままだと、無駄が多いとの提言。

個人が電力を供給できるようになってきた今、見た目は、「個人が供給した電気を大会社に売って、大会社はそれを必要な所に売る」と言う流れに見えるが、実は、発電した電気は近くの需要のある所(法人、個人)に流れているだけ。そのあたりをブロックチェーンを使い、無駄を省き、発電元の収入だけではなく、節電をした家庭にはそれなりのインセンティブを与える仕組みも取り入れ、電力の安定供給を描いている。

このインセンティブとは、例えば夏の暑い日に電力が逼迫した時、「エアコンの温度を2度下げても良い」と契約した家庭には報酬(仮想通貨とか)を出す。「完全に消しても良い」と契約した家庭には大きな報酬を出す。というようなものです。

現在、会津で実証実験をされており、とても楽しみな活用事例でした。実用化されるのが待ち遠しい!。

電力をマッチングしデリバリまで行う構想

モダンジャズ ブロックチェーン 
東京大学工学部 田中特任准教授は、かつて流通の研究をされていたそうです。物流は送る側と受け取り側を倉庫や輸送でバランスを図りますが、電力も個人が供給できるようになり、同じように考えられるとし、電力供給の研究をされています。

田中准教授は、現状の電力供給スタイルを「オーケストラ型」と捉え、また、マイクログリッドでの供給システムを「ハードロック型」と捉えました。確かに現在は指揮者(中央)が制御していますが、マイクログリッドにすれば、それぞれが自分を主張して演奏(個別最適)となり、過剰で無意味で無駄な状況に陥ります。田中准教授はその中間を「モダンジャズ型」として、そこにブロックチェーンを取り入れ、「マッチング&デリバリ」の実現を狙っているそうです。ブロックチェーンでマッチングして、インバーターで電気を流す。そんな社会を描かれていました。

ブロックチェーン応用には、イーサリアムが使われてました

イーサリウム 仮想通貨 それぞれの登壇者からウンチクのあるお話を伺えました。印象に残ったのは、みなさんがイーサリアムを使っていた事です。イーサリアムは仮想通貨! と言う認識しかなかったのですが、実は、壮大なプラットフォームの構築であることが分かりました。認証する内容や、インセンティブの与え方等、産業によって仕組みがいろいろと異なる事は想定できますが、イーサリアムは多くの事例に対応できるように考案されており、また、オープンソースで誰でもが活用できる様に提供されているそうです。

ディスカッションでは、イーサリアム基金のエグゼクティブディレクターの宮口さんが加わり、活発な討議がなされました。

IDカード 認証 イーサリアムでは、現在も更なる技術開発を進めて、より良いものに改良改善をしているそうです。

宮口さんのお話で感銘を受けたのは、イーサリウムを活用して、発展途上国のIDすらもらえない人をスマホの指紋認証を使い、それをブロックチェーンで認証される仕組みなど、社会貢献に活用して欲しい!と言うお話を伺えたことです。

仮想通貨で、投機的な儲け話が先行する中で、本当に良い話が聞けました。

まとめ

ブロックチェーン イーサリアム 仮想通貨

①仮想通貨は単なる通貨ではなく、連続性透明性を確保するプラットフォームであった。

②イーサリウムは多くの事象に対応できる様に作られ、オープンソースである。

③電力などの様に、公共性の高い、また誰でもが売買できる事柄はブロックチェーンの活用が期待できる。

④仮想通貨は投機ではなく、社会貢献に使われるべき仕組みである。

ブロックチェーンの有用性を垣間見ました。今後さらなる研鑽を積んでまいります!

(文責:大久保 優)