マイクロソフトのIoT活用事例セミナーを聞いてきました
日本マイクロソフト株式会社主催
「リテールテック最前線セミナー」
マイクロソフト株式会社からののIOTサービスの紹介と、それらを利用した3社の事例紹介が有りました。私なりに響いた項目をピックアップして、備忘録として記載いたします。
マイクロソフトはウインドウズに拘らない
マイクロソフトのIoTの特徴は、
1. すぐに始められるシンプル基盤
一般的なIoTのシナリオであれば既に用意されているプラットフォームをすぐに利用できる構造(PaaS)があるそうです。
また、大規模なことはしない中小企業向けに、小さく早く始めることの出来るソフトを構築中だそうです(SaaS)。
2. オープンなアプローチ
マイクロソフト社はウインドウズの会社と思われがちだが、実はなんでもOKのスタンスを取っているそうです。ここが最もインパクトの有った瞬間でした。良いものならなんでも使う。良いものならなんでも真似する。ちょっと違うかもしれませんが、まあ、そんなところでしょうか。とにかく、1部門で、1社で、1国で完結できるプロジェクトは極めて少なくなっています。それぞれの良いところをお互いに活用して、豊かな社会を作ることが重要ですね。そんな流れだと思いました。
3. 世界規模のスケーラビリティー
マイクロソフトのデーターセンターは世界に42ヶ所あるそうです。その数は、AWSとGoogleを合わせたよりも多いそうです。
putmenu はレストランの大革命
2006年に設立した「ボクシーズ株式会社」のCEO鳥居さんの講義でした。こちらも、マイクロソフトのIoT技術を活用し、複数の企業との協業で、アイデアを実現した会社です。そのアイデアが実に凄い。本当に驚きました。そのアイデアは「注文0分。会計0分」と言うもの。まずはこちらの動画を御覧ください。
凄いですよね。
ボクシーズは帝人と共同開発で、テーブルビーコンを開発しました。このシートがあれば、PCやスマホをシートに置くと反応して動作をします。そこで、これを利用してレストランの注文をスマホから出来るようにしました。
人手不足を補い、外国語も気にしないスマートなシステム
客は店に入り、テーブルにつく。
そこで、スマホから食べたいメニューを決める。
そして、テーブル上のマークの有る所にスマホを置いてオーダーする。
そのオーダーは厨房のプリンターにアウトプットされる。
客がイタリア人でも、ベトナム人でも韓国人でも、彼らの国の文字で書かれたメニューを見て正しくオーダーでき、そのオーダーは厨房には日本語で表示されるのです。
(英語、日本語、中国語(簡体/繁体)、韓国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、タイ語、カンボジア語、ベトナム語、ロシア語、スペイン語対応)
それだけではありません。スマホからオーダーを掛けてその時点で決済が出来るのです。キャッシュレスで会計の煩わしさがありません。
食べ終われば後は帰るだけ。
そして、お店には顧客のクッキーが残るのです。どんな属性の人がいつ来て何をオーダーしたのか。そのデータを基に、更に良いサービスを産むことが出来るのです。凄いですね。
フードコートにも応用
テーブルビーコンは2次元の認識でしたが、これを3次元の空有感に応用したのがフードコートなどでの活用だそうです。今までフードコートでは、窓口にオーダーしに行き、支払いをして、ポケベルをもらい、ベルがなると取りに行く。という流れでしたが、フードコートの空間に入るとスマホからオーダーが出来、しかも支払い完了。食べ物が出来ると、スマホが鳴って(ブルッテ)取りに行く。随分楽になりますね。
この技術はフードコート以外でも色々と応用できそうですね。
コストはザックリ月額2万円
それぞれ使い方の違いでコストは変わるのですが、たとえば、フードコートの場合はザックリ月額2万円あれば運用できそうです。時給1,000円のアルバイトよりも安上がりで、しかも注文と支払いが手間いらず。これは世界展開ですね。
世界展開も視野に!
マイクロソフトCEO、サティアナデラ氏は、「魅力的なソリューションで、すべてのレストランに提案できる」と基調講演でこのシステムを取り上げました。
総務大臣賞受賞受賞したシステムです。
モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)は2017年10月31日付けでこのシステムに対してグランプリ・総務大臣賞を決定しました。日本の誇れる技術と言ってよいかと思います。
putmenuのURL http://boxyz.com/putmenu/
おもてなしサービス提供の2社
HeadwatersとBrainPadの2社は、おもてなしサービスについての講義をされました。ロボットとAIの活用です。顧客の顔を認識し、その客の属性をインプットし、また、クッキーから情報を取り、レコメンドやリテンションに役立たせるのが狙いとのことでした。
Headwatersさんでは、ペッパーくんのソフトを多分日本で一番作っているだろうと自負されていましたが、ロボットを使い客が自ら情報をインプットする方式を取っていました。ラーメン店とか居酒屋とかに置いて、リテンションを高めることが狙いです。
BrainPadさんは、店舗にカメラを複数台設置し、顧客の顔認証を行い、その行動を蓄積するもの。ただし、個人情報保護法に深く関わる対応のため、店舗では撮影することとその目的を告知する必要が出るそうです。また、顧客からのオプトアウトにも応じる体制が必要だそうです。しかし、「私を撮らないで!」と言っても、カメラをオフには出来ないし、どうしたものか・・・。色々と面倒な感じですね。
すごい技術を高齢者生涯現役に使えると良いなあ
IoTで世の中が随分変わります。革新的な活用例がputmenuでした。これはレストランの業務改善、働き方改革につながりますね。このような技術によって、少子高齢化などの社会問題に対応できることが凄いです。この技術を高齢者向けに何か応用できないかなあ、と思いを巡らせています。
高齢者が活躍できる社会の実現に役立つ技術の開発。そんな視点でこれからも新しい技術を見ていきたいと思いました。
(文責:大久保 優)